自己紹介記事も残す所、今回を含めてあと3回になりました。
今回は「銀行本部 ~人事部 評価・異動~」ということで、私が銀行にいた最後の2年半余りで経験した評価や異動に関する業務に携わっていた時期のお話を中心に書きます。前回は人事採用のお話をしてきましたが、採用最後の年からの接続も含めて書きます。
結局採用には丸5年いました。基本的には5年の間で異動があると思っているので、何となく出口が見えてくると少しだけ気が抜けるものですw
まぁでも採用最後の年は、最後だと思っているんで本当に力を込めてやったし、思うようにやらせて頂けたので楽しかったですね。今は存在しませんが、BC職(他社さんでいう一般職に近い)という職種の採用をセミナー・面接・事後フォローまでやらせていただいたことは非常に良い思い出になっています。私が担当したその年がBC職として最後の採用となり、以後採用はしていないわけですが、当時は動画を作ったり、銀行の最上階でイベント開催してリテンションをはかったりいろんなことをやりました。因みに、受けに来られる方の大半が女性なので、女性の採用の企画をおじさんがやっているという・・・本当にそれでよかったのか。でも当然、採用Gの色々な人の知見や意見を聞きながら、相応に良い採用ができたのではないかと思っています。
そんな完全燃焼感を醸し出す私に、案の定異動の発令がありました。当時は、銀行員としての仕事の本分を忘れかけていましたので、フロント営業に戻るつもり満々でした。業績評価の仕組み等を再度勉強して、気合を入れていました。当時、部長室の前で待っていると、担当副部長に「引き合いがあるというのは良いことだよ」と言われたのを今でも覚えています。その時は何を意味しているのか正直分かりませんでした。そして、部長室に入り、人事部長から「異動です。近いんだけどね。」と言われ、郊外の営業しかしたことがなかった私にとっては、大手町近郊でのフロント業務ができるのではないかとドキッとしました。そしたら、部長から「9階。」と言われ、「ん?また本部?」と思っていると続けて、「リテール人事部です。」と言われました。リテール人事部というのは、銀行のリテール部門の異動や評価等の人事業務を行う部署です。採用とは大きく異なる業務であるものの、当時は異動や評価に関わるというのはある意味人事の中心部でもあり、「長くなるな~」という想いと伴に採用にいた5年間も相応に評価いただいていたということを異動発令の中で実感することができ、エンゲージメントは高まりました。
ただ、実際に異動してみると想像を絶する黒衣(くろこ)仕事であるということを知りました。当時、大変失礼ながら採用G最後の挨拶で、人事部全体に「暗い井戸の中で仕事をするようだ」という表現をしたのを覚えています。何となく、人を評価したり異動を組んだりするのは、前向きで華やかなイメージが強かったのですが、それは全体の一部に過ぎず、ほぼ毎日個別案件対応に追われるという毎日でした。それこそ、ここでは書けないような個別のドロドロした仕事に対し、総務部や広報部等と連携しながら対処していく毎日でした。前向きの仕事を考える時間が与えられるのは夕方18時以降という毎日で、正直結構疲弊しましたねw
ただ、異動・評価等の人材戦略の仕事に携わる方々は本当に尊敬していました。皆さん超がつくほど優秀なメンバーでしたし、矜持と柔軟性を兼ね備えた一流の社会人ばかりでした。こういう人たちがいて、銀行員としての当たり前の毎日が送れるということを実感しました。目立つ仕事ではないですが、それこそ組織の土台でもあり、ここの施策一つで従業員全員のエンゲージメントを一瞬で上げ下げできるという点では、その影響力は非常に大きなものがありました。また、私自身も異動や評価に対し、寸暇を惜しんで仕事をする周囲のメンバーの姿を見て、ここまで真剣にそして情熱的に考えて各種の異動や評価が出来上がっているんだということを知り、その仕事ぶりには本当に驚かされました。
各人エンゲージメント上昇のキードライバーとなるものはバラバラかとは思いますが、人事部としての「矜持」や選ばれているという「自覚」が根底にある人は多かったのではないかなと思います。じゃないとあの仕事を長く続けていくことが出来る理由がみあたりませんw
あと、この仕事は個人的には正義感だけが強すぎる人には向いていませんね。色々な人の間に挟まれ、ボコボコになりながらも各所をうまく収める大人な対応と戦略で走れる人でないとダメだと思います。正義のヒーローみたいな人は、採用ではやっていけるかも知れませんが、こっちの世界では難しいでしょうね。私もどっちかといえば正義感・責任感の強いタイプで自分を追い込んでしまうので、最初のうちは本当に苦労しました。
リテール人事部での2年半が私のその後の人生を左右していくことになります。次回は、起業の構想に至るまでの部分をお話していこうと思います。いや~結構ドロドロしてきましたが、次回はもう少しさっぱりと書けるように頑張ります!